10か月。
「起業と株」ワークショップの構想から全三回開催までにかかった時間。企画発案時には予想だにしない月日がたっていました。企画メンバーの顔合わせ時は、企画から開催まで2か月ぐらいかなと思っていましたが、各自の持ち寄った案どれもが素晴らしく、その結果がこの長期にわたるイベント開催につながったと思います。
私は人生で初めてイベントの企画・運営を経験し、さらにリーダーという大役も担わせていただきました。自分が望んだことではありますが、10か月という月日はとても長く感じ、正直、途中で投げ出したくなる時も多々ありました。しかし学生企画のみんなの支えもあり最後までやり遂げることができました。
私がリーダーを務めるうえで最も大事にしていたことは、みんなが気兼ねなく意見を言える環境づくりを心がけることです。有志のある学生が集まって企画構想に至ったため、各人のやりたいことは最大限に尊重しつつ、疑問点がないか聞くようにしていました。ときには折り合いがつかず、平行線の一途をたどる時もありましたが、一人一人が真剣に妥協することなく意見を出し合えた結果だと思います。
また、単にイベントを開くだけでなく企画を通してたくさんの学びを得ることもできました。起業、投資、金融、財務など工学では得られない知識を企画時に学ぶことができ、実際に私自身起業にも至っています。
こうした知識関連だけではなく、プロジェクト進行で必要なコミュニケーション能力も養うことができたと思います。その中でも一番の学びは「確認は取りすぎなくらい取ること」です。プロジェクト進行において当たり前のことでがありますが、月日が経つにつれて形骸化した確認となり、結果として本来の意図とは異なる方向に進むこともありました。こうした意識の綻びは遠回りになってしまう最大の要因であることを再認識しました。
本企画は10か月、計三回を開催してきましたが、一貫して企画メンバー全員が最重要視していた点があります。それは、「参加者の皆様にとってリターンが最大になるように」という目標のもと努めてまいりました。どの企画も興味を持ち始めた人を対象に開催しましたが、本企画を通じてより深く学びたい、と思うようなきっかけに繋がっていればと思います。
最後に、学生運営であった切田さん、宮地くん、伊藤さん、松永先輩の皆さんと無事に開催できたことに嬉しく思うとともに、私たちの意思を尊重し、温かく見守ってくださった部長の安西くん、顧問の三宅先生に心よりお礼を申し上げます。またお力添え頂きました、株式会社東京証券取引所の田村満様、吉田公認会計士事務所代表の吉田由佳様、株式会社南都銀行の松山領様、南都キャピタルパートナーズ株式会社の堺敦行様、大東伸行様、宇治弘晃様のみなさまに深く御礼を申し上げます。
2021/09/29
奈良先端科学技術大学院大学 NAIST起業部
古賀貴士