【実施報告】奈良ソーシャルクリエイションキャラバン2021

奈良ソーシャルクリエイションキャラバン2021を開催

2021年9月1,2,11,18日に,認定NPO法人おてらおやつクラブさま(以下,OOC)と奈良工業高等専門学校竹原研究室(以下,奈良高専)主催イベント「奈良ソーシャルクリエイションキャラバン2021」が開催されました.NAIST起業部は協力団体として参加し,安西,伊藤,切田,古賀,立花,田谷,山田の7名が企画・運営・ディスカッションを行いました.開催は,本部会場を奈良市の奈良県コンベンションセンターに設置し,参加者の方々にはZOOMを介してご参加いただくハイブリッド形式で実現されました.告知ページはこちら

イベントでは,OOCのご指導のもと「貧困問題」にフォーカスした議論を行いました.「貧困」といえばSDGsの1番目の目標にも提示されているように,世界的に注目されている重要な社会課題の一つです.当然,奈良県下も例外ではなく,今現在OOCの支援活動によって助けられている家庭も多く存在します.これらの課題を他人事ではなく自分事として捉え,解決に一歩踏み出すためのたくさんのアイデアが議論されました.

参加者の方々へのインプットとして,OOCの大橋伸弘さま桂浄薫さま,高専ベンチャー株式会社の澤木陽太郎さま,また,NAIST起業部のメンターも務めていただいている奈良先端大の松田裕貴さまにご講演をいただきました.

また,本イベントの特徴として,オンライン上でも充実した議論を促進するため,いくつかのオンラインツールが積極的に用いられたことが挙げられます.会議ツールとしてお馴染みのzoomを始めとし,チームコミュニケーションツールslack,オンラインホワイトボードツールmiroなど,先進的なIT企業でも実際に用いられているツールを活用した議論が展開されました.

18日の最終成果発表会で行われた表彰式では,ハッカソンCチームが「おてらおやつクラブ賞」ハッカソンBチームが「CivicTech賞」にそれぞれ選出されました.OOC代表理事の松島靖朗さま,CODE For IKOMAの野津拓也さまにご講評いただき,イベントは大盛況のうちに終了となりました.

メディア紹介

本イベントは複数のメディアにご紹介をいただいています.

KCN情報発信スタジオ Kスタ!さま

PR TIMESさま

認定NPO法人おてらおやつクラブと奈良高専が「子供の貧困問題」のアイデアソン・ハッカソンを開催!高専生らしいアイデア・技術で社会問題を解決。アイデアやサービスの創出を目指す!
2021年10月11日

奈良新聞さま

貧困解決策を提案 「アイデアソン・ハッカソン」で学生ら議論
2021年10月19日

認定NPO法人おてらおやつクラブ 公式ホームページ

 

NSCC2021の開催に際して(安西より)

「貧困問題」のタチが悪いところは,世間から押し付けられる自己責任論である,と強く感じる機会となりました.

「後先考えずに子供をつくるからだ」
「子供がいるのに離婚した自分たちが悪い」

まあ個人的にはその現象自体に自己責任が全くない,とは思っていないのですが,それらは全て大人側の事情の話.大人に自己責任があったとしても,それによって子供の成育に悪影響があることは全く別の問題です.親が悪いんだから子供が苦労するのは仕方がない,という考え方は僕はとても嫌いです.かろうじて生活はできているが「新しいランドセルが買えない」「修学旅行に行けない」などの相対的貧困という状況が長期間続くことで子供たちに及ぼす悪影響は計り知れません.

この外側からは見えにくい問題の解決の一端を担うのは,地域全体の当事者意識です.日本の「貧困」に直面している子供(大人ではありません)の数は280万人とも言われています.正直,国や県が主導する支援制度ではこれらをカバーできているとはとても言い難いでしょう.もっと網目を細かくした支援の輪が必要です.この支援の輪こそ,地域全体の当事者意識によって構築していくべきものだと考えています.

今回のキャラバンはこの「当事者意識」の醸成への寄与を目的として,企画,開催されたものです.イベント後,参加者の方々からはアンケートを通じて,問題への危機感や議論の機会があったことへの喜びの声などを頂戴することができました.今回ご参加いただいた皆様,奈良高専の竹原先生を始めとする全ての関係者の方々にお礼申し上げます.まことにありがとうございました!

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